第11回活動報告(歩行動画あり)

この方も日本からご支援いただいたニーブレースと下肢装具での練習をかさね、ついに訓練室内の歩行は装具なしで遠位見守りレベルとなりました。下肢装具により関節の自由度を減らし、難易度を調整してあげることは有資格者以外の職員にも理解してもらいやすい印象を受けます。本人も歩けるようになってからは今まで以上にリハビリに精を出していて笑顔がとても増えました。

「症例紹介」*初期評価→5ヶ月後評価

60歳 女性 約1年2ヶ月前に脳梗塞を呈して左片麻痺

本人NEED:1人で歩きたい→もっと上手に歩きたい

運動麻痺:SIAS-m:2-1C-2-2-4→2-2-3-3-4

上下肢筋緊張:上肢:1A(中等度亢進)、下肢:2(軽度亢進)

感覚障害:表在・深部感覚ともに異常なし

健側膝伸展筋力: MMT 4レベル

握力:右:6kg →11kg 左:2kg→6kg

ROM:右足関節背屈 15°(その他著明な制限なし)

歩行:平行棒内歩行(FIM2)→固定型歩行器(FIM5)
   TUG 測定不可→46.28秒(3点杖歩行)

装具:P-AFO(プラスチック短下肢装具)+ニーブレース → 装具なし(5ヶ月後)

その他ADL:
起き上がりFIM6→FIM7

立ち上がりFIM2→FIM6

トランスファーFIM2→FIM6

訓練当初はSLB+ニーブレースで立位訓練と歩行訓練を中心にすすめていました。このニーブレースは七栗サナトリウムの宮坂先生から個人的にご支援いただきました。タイではまだニーブレースを見かけません。成功事例をつくることで、他の職員も重度麻痺の利用者に対して、ニーブレースを下肢装具とセットで装着できるようになってきました。

         5ヶ月後 固定型歩行器(高さ調整不可) 裸足 

            5ヶ月後  3点杖歩行 裸足